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米国と長年にわたり良好な関係を保ってきたサウジアラビアが、その政策を変更しつつある。皇太子Mohammed bin Salmanが事実上のトップとなり、「Vision 2030」という政策方針を発表した。この政策は、経済の多角化と社会改革を目指している。
特に、中国との関係改善が顕著である。中国はサウジアラビアの最大の原油輸入国であり、技術供与も行っている。2022年の中国-アラブサミットでは、習近平を厚遇し、中国の仲介でイランとの外交関係改善も模索している。
サウジアラビアの新政策の骨格には「サウジ第一主義」がある。これはナショナリズムに基づいており、米国以外の国との関係強化を意味する。これまで堅持してきた「汎イスラム主義」とは異なる方向性を持つ。
社会の変化も見られる。女性への宗教的抑圧を緩和し、外国投資を呼び込み、コンサートやスポーツイベントの開催も増えている。